ディックファイナンス株式会社は1974年にダイエーグループに加わった消費者金融です。
大阪に本社を構え、主に大阪府内で店舗網を展開していました。

1990年代後半はダイエーグループの再建の力を得て、消費者金融として利益を計上。
しかし、消費者金融業界はサラ金として違法な取り立てや、商工ローンが問題となる中で、消費者金融に批判が高まる流れとなります。

1998年にはアメリカのフォード・モーターの金融子会社であるアソシエーツ・ファースト・キャピタル(AFCC)に株式が売却。
更にAFCC、2000 年に準大手のユニマットライフを買収しています。

その後、2000年にAFCCがフォードからシティグループに売却され、ディックファイナンスはシティグループ傘下に入ります。

2002年には、株式会社マルフクからは約600億円分の貸出債権を買い取って店舗や債権を譲り受けました。

2003年1月、シティグループ内の消費者金融が経営統合し、「CFJ株式会社」として新たに発足。
ディックファイナンス株式会社はCFJ株式会社の一部となり、「ディック」新会社の一つのブランドとして存続する事になります。

CFJという社名は、「シティファイナンシャル(Citifinancial)」というアメリカや香港を含む複数の国で不動産担保融資などを手がける消費者金融事業の頭文字に、「ジャパン」を表す「J」を加えたものです。

この歴史を通じて、ディックファイナンスは様々な経営変遷を経験し、最終的には国際的な金融グループの一員として新たなスタートを切ることになりました。

情報支援サイト「ファイナンシャル・ソリューション」を提供

ディックは健全かつ安全にローンやクレジットを利用が可能なように、お金借りる人の金銭に関する知識向上のための情報支援サイト「ファイナンシャル・ソリューション」を提供していました。

「金銭に関する基礎知識」から「債務状況に合わせた改善方法の提案」などの情報を紹介。

また、現在の返済総額や返済期間の見直しが簡単にシミュレーションできる計算ツール「スマート返済早わかりウェブアプリ」も提供していました。

ディックで取り扱っていたローン商品

商品名実質年率融資金額サービス必要書類・保証人・担保
スーパー30012.88%

20.88%
50万円~300万円(新規は200万円)・10フリー
・30フリー
必要書類:免許証、給料明細等
保証人・担保:不要
無担保ローン5012.88%

29.20%
1万円~50万円・10フリー
・30フリー
必要書類:免許証等
保証人・担保:不要
目的別ローン5012.88%

24.88%
15万円~50万円・10フリー必要書類:免許証等
保証人・担保:不要
ホームバリュー40012.88%

20.88%
200万円~400万円・10フリー必要書類:身分証明書
保証人:原則として不要
担保:不動産(土地、建物に根抵当権を設定)
不動産担保ローン24009.64%

17.40%
100万円~2,400万円必要書類:身分証明書
保証人:原則として不要
担保:不動産(土地、建物に根抵当権を設定)

・10フリーサービス:契約日の翌日から10日間の利息がかからないサービス。初めて契約される方が対象。
・30フリーサービス:契約日の翌日から30日間の利息がかからないサービス。初めて契約される方でキャンペーン中に契約された方が対象。

ディックの廃業

2008年6月、シティは日本における消費者金融の見直しを図る流れになり、CFJは当時32の有人店舗および、540のALM(自動貸付契約機)を配置した無人店舗を閉鎖(新規の融資契約を縮小)する計画を発表して、約1年で縮小を実施します。

すべての店舗を2009年3月末までに閉鎖する計画となり、バーチャル・チャネル(電話やインターネット)を中心に営業を進めることになります。
これに伴い、1人でも多くの顧客の資金ニーズに応えることを目的として、三洋信販株式会社(ポケットバンク)との一部業務提携を行っています。

2009年3月には「ユニマットレディス」ブランドを「ディック」ブランドに統合。
現在、ユニマットレディスの会員はディックのウェブサイトにて、引き続き同様のサービスを利用する形となります。

2008年6月に貸金業の事業縮小を表明した後、2009年6月27日以降は融資業務を停止し、2016年8月には貸金業登録の更新をストップして、実質的に消費者金融は廃業となっています。

ディックとCFJの過払い金請求と時効について

CFJは、2007年以前は、グレーゾーンである年率29.2%の金利で融資をおこなっていました。
ディックに加えて、統合前のアイクやユニマットでの社名での借入があった場合にも、過払い金が発生している可能性あります。

CFJへの過払い金は完済時から起算して10年で時効になります。

すでに貸金業から撤退していますので、時効になっていない過払金返還請求権を持っている方は少なくなっています。

過払い金が発生している可能性がある方は、早めに法律事務所などに相談したほうがよいでしょう。

消費者金融についての簡単な解説

消費者金融は、個人向けの小口融資サービスを提供することが特徴です。

これには、キャッシングやパーソナルローンも含まれており、消費者が短期間で資金を必要とする際に利用できる金融サービスを提供しています。
特に急な出費や一時的な資金繰りのために利用されることが多いです。

消費者金融企業の主な特徴は以下になります。

迅速な審査プロセス:多くの消費者金融企業は、申し込みから融資決定までが迅速に行われることを特徴としています。オンラインでの申し込みや自動審査システムを利用して、数分から数時間で審査結果が出ることも珍しくありません。

柔軟な融資条件:顧客のニーズに応じて、融資額や返済期間、返済方法などを柔軟に設定できる点も、消費者金融の大きな魅力です。これにより、顧客は自身の経済状況に最適な融資プランを選択できます。

広範な利用者層:収入や職業に関わらず、幅広い層の顧客にサービスを提供しています。ただし、融資を受けるためには一定の条件を満たす必要があります。

消費者金融業界は厳しい法規制の下で運営されており、利息制限法や出資法に基づく金利上限が設定されています。
また、過剰な借入れを防ぐための総量規制もあり、顧客の年収の3分の1を超える融資が禁止されています。

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